富士山測候所を活用する会

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富士山測候所の活用分野―研究と教育


富士山測候所を活用する会のロゴの無限大記号には、富士山と富士山測候所には様々な学術研究、青少年教育、登山技術などの分野での活用に無限の可能性があるという意味がこめられているという。
確かに、富士山測候所はその立地特性から、活用分野は多岐にわたっています。 独立峰の富士山は、大陸からの汚染大気を観測する監視タワーとしての役割をもっています。 日本最高峰という立地は、宇宙線や雷の観測所として、また、高所医学、高所トレーニングの場としての活用方を提供してくれます。 極地としての富士山は、その過酷な自然条件を求めて各種の実証実験に使われるほか、富士山の雄大な自然は体験・教育の場でもあるのです。

(*1)富士山測候所の研究、実証実験あるいは教育などでの利用方については、毎年公募しています。
(*2)富士山測候所の施設の活用方については、富士山測候所バーチャルツアーをご覧ください。



研究での利用事例

大気化学 Atmospheric Chemistry
独立峰で自由対流圏に位置する富士山は、大陸から飛来する汚染大気の監視タワー

富士山は、独立峰で標高も高く自由対流圏に位置している。このため、比較的近傍の汚染の影響を受けずに、ユーラシア大陸から飛来するPM2.5(微小粒子状物質)などの汚染大気の長距離輸送の影響を観測することができる。

これまでにも、シベリアの森林火災によるススや、中国大陸から飛来する黄砂が観測され、地球規模の大気の動きを見るセンサーの役割を果たすことも可能だ。エアロゾル(浮遊粒子)や温室効果ガスなど研究対象とすべき物質も多く、フィールドにおける直接観測の重要性は高い。

大気化学の観測には、JAMSTEC(海洋研究開発機構)、NIES(国立環境研究所)、国内の大学のほか、台湾やフランス、ドイツからの研究者も訪れている。経済発展の著しいアジア大陸の風下域にある日本はその影響を直接的に受けざるを得ず、さらにこの汚染ははるか太平洋を越え、世界に拡散することが懸念されている。ハワイのマウナロア山、ヨーロッパアルプスのユングフラウヨッホといった世界の高山観測拠点と連携し、観測データを共有して越境汚染の監視ネットワーク網を強化する構想もある。


富士山の自由な風(東京新聞2013年7月9日『紙つぶて』)
PM2.5(東京新聞2013年7月16日『紙つぶて』)
オキシダント(東京新聞2013年8月6日『紙つぶて』)
雲と霧(東京新聞2013年8月20日『紙つぶて』)
二酸化炭素(東京新聞2013年10月8日『紙つぶて』)
水銀(東京新聞2013年10月29日『紙つぶて』)




放射線科学 Cosmic Radiation
富士山測候所は標高が高く、太陽の活動の観測所として最高の立地

原発事故があって初めて放射線を浴びたわけではなく、放射線は宇宙からも飛んできている。上空1万m以上を飛ぶ航空機の乗務員は、地上の100倍近い宇宙線(宇宙空間を飛ぶ高エネルギーの放射線)にさらされる。富士山測候所は標高が高く(大気厚が薄く)、太陽の活動の観測所としては最高の立地にある。夏季の測定で宇宙線の連続モニタリングが可能であることは実証された。太陽フレアの発生により大気圏内の宇宙線強度が突発的に変動した時の航空機内における被ばく線量の時間推移を迅速・正確に評価するため、富士山測候所において宇宙線を連続計測し、そのデータから上空の線量を常時リアルタイムに推定するシステムを構築している。将来は日本人の宇宙線被ばくを監視する拠点を富士山頂に構築すべく、通年連続観測をめざしている。

富士山の放射能測定(東京新聞2013年12月03日『紙つぶて』)




大気電気 Atmospheric Electricity
雷活動の研究から超高層での放電現象の測定

富士山頂はたびたび雷雲が接近するのみならず雷雲そのものにも覆われ雷の研究を進めるうえでは理想的な場所。この現象の解明のためには、放射線のみならず雷雲が形成する電場にも着目する必要がある。雷雲からの放射線を測定する検出器、電場測定装置(フィールド・ミル)を設置し、その測定データを元に雷雲通過時の放射線挙動と電場構造を調べている。さらに超高層での放電現象の測定と電離層に向けた大気光観測を合わせて超高層大気分野へ発展させようとしている。2014年8月には世界でも撮影が難しいとされている「巨大ジェット(Gigantic Jets)」を2回にわたりカメラで捉えることに成功した。


富士山の雷(東京新聞2013年09月17日『紙つぶて』)




永久凍土 Permafrost
富士山頂はその標高ゆえ永久凍土がまとまって存在しうる本州で唯一の場所

富士山山頂部は、その標高ゆえに年平均気温が−6℃前後であり、永久凍土がまとまって存在しうる本州で唯一の場所である。2010年夏、信州大山岳科学総合研究所の池田グループが、山頂付近に深さ10 mの地温観測孔を掘削することに成功。観測孔内に温度センサーを設置し、地温の連続モニタリングを開始した。深部までの地温断面を気象要素とともに直接観測し、地温変化の支配要因を明らかにし、永久凍土の動態や分布を評価する。


永久凍土(東京新聞2013年11月19日『紙つぶて』)




天文学 Astronomy
富士山は晴天率・大気透過率が高く日本の天文台にはない天文観測サイト

近代天文学は、広い波長域にわたり時間的に連続して観測する時代に入りつつあり、地球上の様々な地域に観測施設が必要となってきている。特に日本を含む東経135度付近の地域はハワイの次に夜がやってくるので観測上重要な地域となっている。2012年に初めて観測した結果、富士山は高地にあるので大気透過率が高く、低地の天文サイトに比べ暗い星まで検出していることがわかり、また、国内のサイトとしては非常に高い晴天率をもっていることが確認された。






高所医学 High Altitude Mountain Medicine
高度日本一の富士山は、高山病発症のメカニズムの解明に最適

富士山頂の酸素濃度は平地の3分の2。頭痛や吐き気が高山病の初期症状だが、ひどくなると肺水腫となって呼吸困難から死に至ることもある。低酸素下では肺動脈が強く収縮することから、心臓が関与するメカニズムを探ることは心不全などの解明にも役立つ。
また、富士登山の人気は最近特に高まっているが、その中には登山が初めてという初心者も多くいる。富士山は技術的には容易でも体力的な負担度は非常に大きく、そのうえ高度(低酸素)の影響も強く受ける。実際に毎年、これらのストレスが原因と思われる事故も多く起こっている。このような事故を防止するために、富士登山中に身体がどのようなストレスを受けているのか客観的なデータを測定し、それに基づいた具体的な安全対策を示し広く啓蒙を図ろうとしている。

急性高山病(東京新聞2013年09月26日『紙つぶて』)




高所順応トレーニング High-Altitude Mountain Training
富士山での事前トレーニングにより、海外での安易な登山による事故を減少

スポーツ選手の間で盛んに行われている海外で高所トレーニング。中高年を中心として、多くの登山者や旅行者が出かけている海外の高山や高地。ここでは、高山病による事故も多発しており、国内での事前の高所順化トレーニングの必要性が指摘されている。富士山頂で2泊3日の登山前後の体力の変化を測定した結果、高地に数週間滞在するという従来の常識からは異質であるが、短期間の滞在で十分トレーニング効果があることが明らかとなっている。





食品科学
富士山頂の低温、低圧、低酸素といった極地条件下での熟成に着目

観光資源である富士山を活用した新たなブランド創出を目指して、富士山頂の低温、低圧、低酸素といった極地条件下での熟成に着目し、静岡県内の農畜産物を一定期間、富士山頂に 茶、米、日本酒、肉を貯蔵して、品質や食味への影響を評価する試み。自然環境を利用した同様の試験事例はなく、農畜産物の熟成や加工技術開発に新たな発見が期待されている。







宇宙科学技術/教育 Space Science and Technology / Education
富士山頂の極地環境で模擬衛星(Fuji-Sat)の試験

大学・高専学生による手作り衛星(超小型衛星)や缶サット(超小型の模擬人工衛星)、ロケットなど宇宙工学の分野で、”実践的な”教育活動の実現を支援している大学宇宙工学コンソーシアム(UNISEC)に所属する複数の研究室・学生団体の学生らと地震予測衛星の共同開発を行っている。本プロジェクトではその地上モデルを作製しそれを富士山頂の極所で試験することにより、得られた観測概念や製作技術を実機の計画へと生かす。2013年は富士山頂と宇宙空間の類似性を調べるべく予備研究を行った。予備研究では富士山頂における太陽パネルの充電状況、バッテリー状態、周辺温度状況などをデータロガーを用いて計測し、宇宙との類似性について越冬観測を通して調査した。2014年夏季はそれらの知見に基づき富士山頂に模擬衛星(Fuji-Sat)を設置した。




教育での利用事例

ライブ中継/教育 Outreach & Education
将来の科学技術を担う子供たちに科学する心を…

富士山測候所は日本で一番高い"実験ステーション"として、研究目的だけでなく教育目的にも利用されている。

気象予報士で構成される気象実験クラブは、富士山頂と下界の子供達を結び気象に特化したやさしい実験を対話型でライブ中継。会場の大きなスクリーンに映しだされる山頂の学生と対話する形で進められた。 「山頂にはトイレがあるのですか」「山頂では電気をどうやってつくっているのですか」「山頂では何を食べましたか」「カミナリがきたらどうするのですか」などなど・・・次から次へと浴びせる子供たちの目は輝いた。




理科実験教材開発/教育 Outreach & Education
3776mの高所ならではの興味ある実験教材開発の種は尽きない

富士山測候所は、中学生・高校生向けの科学実験教材の開発にも使われている。富士山頂に滞在し、そこで起こる自然現象を実感できるような理科実験を工夫し、気圧、風雨、日照、紫外線、放射線、体調変化などについて調べるための、教育場面への活用を想定した実験のアイディアを考える。
各種容器に空気を詰めてボイル・シャルルの法則を調べたり、霧箱(きりばこ)を使った自然放射線の観察、雨傘用のポリ袋の吹き流しを使った風の実験などなど、3776mの高所ならではの興味ある実験教材開発の種は尽きない。


理科教室(東京新聞2013年08月13日『紙つぶて』)



富士山学校科学講座/教育 Outreach & Education
日本一高所の"雲の上の教室"…

富士山測候所はまた、日本一高所の"雲の上の教室"にもなる。山頂では教育活動の一環として一般からの希望者を対象に「富士山学校科学講座・無料見学会」を開催している。この日は研究者の講義のほか、測候所内部の見学も行っている。











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