富士山測候所を活用する会

良くあるご質問  | お問い合わせ  |  交通アクセス  | English Site


ニュースリリース

イベント情報

メディア掲載情報

取材申し込みについて

会報「芙蓉の新風」

TOP


Home>広報活動>ニュースリリース>2010年7月5日

2010年度夏季観測・研究の計画概要



報道関係各位
2010年7月5日
NPO法人富士山測候所を活用する会


気象庁との山頂庁舎の借用契約は、今年7月から新たな第2次3年契約(*)にはいるが、初年度の今年は、共同研究、委託研究のほか、海外からの参加を含め、公募審査により選ばれた21件のテーマで観測・研究を実施する予定であり、昨年を上回る規模の観測体制になる見込みである。

(*)気象庁との第2次借用契約(2010年7月〜2013年6月)
  • 夏季の利用期間は、従前の「8月31日まで」から「9月10日まで」に延伸
  • 貸付場所、従前は庁舎の一部に限定されていたが、周辺敷地を含めエリアが拡大
  • 冬季も利用可能なエリアも各庁舎に確保され、今後の通年観測へ 向けて展望

観測・研究の規模と内容
今年の観測・研究グループは、公募で申請・審査を経て選定した21テーマ、延べ参加人員は延べ450人程度となる見込みである。 研究内容は、大気化学、放射線科学、高所医学、高所トレーニングなど、従来からの継続案件のほかに、「富士山頂における排ガスマイクログリッド構築の具体化に向けて」、「富士山における地温観測孔堀削:永久凍土の直接観測に向けて」など、新たな研究テーマが加わった。

  • 大気化学関連では、公募による5件の研究のほか、JAMSTEC(海洋研究開発機構)との共同研究、国立環境研究所および新技術振興渡辺記念会の委託研究に加え、年賀寄附金カーボンオフセット助成「富士山測候所を温室効果ガス通年観測施設とするためのクリーンエネルギーインフラ構築事業」の採択が決まり、その研究が始まる。なお、昨年に引き続き、国立環境研究所が大量(100個)のバッテリーを山頂に据付け、2年目にはいったCO2の通年観測に挑む。
  • 放射線科学では、 これまで3年にわたり取り組んできた宇宙線観測の経験を基に、新たに名古屋大学太陽地球環境研究所の協力を得て、通年観測の実現を目指す。また、雷活動に伴う高エネルギー放射線の発生がもたらす影響とその機構についても考察する。
  • 高所医学関係では、低酸素環境下における睡眠時の口腔内装置の有効性の検証、高所登山とストレス、高所滞在中の尿タンパク量とアンギオテンシン遺伝子型の関連 などの研究がある。
  • 富士山山頂の永久凍土の現状を学際的なアプローチで解明し、その地温変化をモニタリングすることで、気候変化と火山活動の評価につなげることを目的とした研究の一環として、山頂部で永久凍土をモニタリングしうる深さ(目標深10 m)の観測孔を設置する。それにより永久凍土の存在を直接観測結果から初めて実証することを企図している。
  • 通信分野の研究では、昨年に引き続き、安全登山に寄与する通信の研究、マイクロ波・ミリ波通信の気象変化への影響調査などを今年も継続して実施する。
  • その他の研究として、極地としての富士山を活用した「3次元雨量計の強風環境下における性能検証」や極地環境に立地する極地居住学の観点から「富士山測候所の居住環境調査」などのこれまでにない分野が加わった。
  • 例年実施している富士山測候所科学講座・無料見学会は、7月8月の2ヶ月間で合計9回開催する。講師には、当日に現場で研究観測を行っている第一線の研究者があたり、その研究内容を中心とした講座を受け持ってもらうほか、教室は天空ミュージアムとして展示内容なども充実させる予定である。
インフラ設備
春の嵐により送電線の電柱折損等の事故が発生しその補修工事を6月から行っているところであるが、その中で新たな電線断障害が発見されたほか、開所予定の7月12日までには変圧器の取替え工事なども予定されており、これら一連のインフラ工事は今年度の当NPOの財政に少なからぬ影響を与えている。

支援体制
現場の体制は、山頂の運営管理にあたる山頂班と御殿場において物資の補給、荷上げ・登下山の確認、総合調整などにあたる御殿場基地班を置き、東京の事務局と緊密な連携のもとで研究活動の支援にあたる。また、安全対策としては、初参加グループに対しては個別に必要な説明を行ったほか、「安全マニュアル」を更新し、参加者全員に徹底をはかる。

資金問題
従来からの継続案件である@JAMSTECとの共同研究、A国立環境研からの業務委託、B  新技術振興渡辺記念会からの委託研究のほか、C郵便事業会社からの年賀寄附金カーボンオフセット助成事業が採択された。しかしながら、資金面では会費収入とあわせても昨年を下回り、測候所利用料金の改定による収入増をはかる一方、研究スケジュール期間の短縮など、あらゆる面で経費増を抑制し対応している。

報道・その他
夏季観測期間中の報道取材については、昨年に引き続き事務局で一元的に受け付けている。夏季観測期間中はリニューアルしたHPをフル活用し、随時山頂の活動状況等の最新情報を発信する。なお、今夏の観測・研究の結果については、例年どおり、平成23年1月(予定)に成果発表会を開催する予定である。

(参考)上記文中の組織種別は以下の通り。
海洋研究開発機構、国立環境研究所:独立行政法人、新技術振興渡辺記念会:財団法人、 郵便事業会社:株式会社

■NPO法人富士山測候所を活用する会 概要

代表者: 理事長 畠山 史郎
設立年月日: 2005年11月27日
事務局所在地: 東京都千代田区麹町1-6-9 DIK麹町ビル901
会員数: 200名

■本件に関するお問い合わせ先
事務局:   TEL:03-3265-8287 FAX:03-3265-8297
E-mail:npofuji3776@yahoo.co.jp


このページのトップへ

ホーム | 会のことを知りたい | 研究活動 | 会を支えよう | 広報活動 | 富士山情報 | バーチャル博物館 | 会員限定ページ
Copyright (c) 2005 NPO Valid Utilization of Mt. Fuji Weather Station All rights reserved.